-月姫-
顔をみれば、その直下型のボイスに超絶マッチな整った顔立ちと長身の男性。
胸元まで伸びている黒髪を一つに束ねて肩にかけ、男性フェロモン全開かと思うほどの美形。
二人は真っ赤になって見とれていた。
「大丈夫?」
少し困惑気味な二人の顔を覗き込むように見ると、二人はコクコクと無言で頷いた。
「良かった。じゃあ、席に着いてくれるかな?」
下に俯いたまま、二人はそそくさと後ろの席についた。
「ちょっと何あの先生っ!」
「美形って言ってたけど、ハンパなくない? モデルや芸能人以上じゃないのっ!」
二人がコソッと話していると、目の前にいた女子生徒が参戦してきた。
「だよねだよね! でも彼女いないんだって!」
『マジ!?』
「ひょっとして、コッチかもしんないわよ?」
手をオネエ風にすると、二人は、それでもオッケイ的に親指を立てた。
「こらそこ。喋ってちゃダメだよ? この時間は皆の自己紹介の時間にします。皆の顔と名前、早く覚えたいからね。
僕は桜花 月読(オウカ ツクヨミ)です。歳は28です。短い間だと思うけど、それまでヨロシク」
柔らかく笑みを見せると、男女問わず赤面。
男も魅了してしまうあたり、やはりソッチかと思わせんばかりだ。