-月姫-

 ダダンッ!

「うおのれ海兄~!」

 ダンッ!


 憎しみ、うっぷん晴らしに矢を放つ神楽。
 そんな神楽を見て、先輩達は目を丸くしていた。

「ナナちゃん。神楽っちどうしたの?」

「あ、影山先輩。ぢつは、かくかくしかじかでして…」

 少しくせっ毛な髪をかきながら七夜に聞くと、影山は哀れめな目で殺気立つ神楽を見据えた。

「あぁ、そりゃ、こーなっちゃうよね…うん」

「理解してくれてよかったです…」

 七夜がすまなさそうに言うと、影山は苦笑した。

「この矢で打ち殺したる~っ!」

 どこの方言が混じっているのやらと思うほど。

「か、神楽っち…その辺にしときなよ」

「ヤダ! 先輩にはこの屈辱わかんないんだ~!」

 半ベソになりながら、まだまだ矢を射つづける神楽。

「気の済むまでやってなさい…」

 頭を抱えながら、影山はため息をついた。



 
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