幸せ家族計画

おじちゃんが、真剣な顔になってしゃがみ込む。
わたしと目をあわせてくれてるんだ。

顔を合わせてるだけなのに、
何だかあったかくなる気がするなぁ。


「サユね。おじちゃんが好きだよ。

おじちゃんがいたら、ママもサユもうれしくなるもん。
サユがママを悲しませちゃった時、おじちゃんがいたらいいのにって、いっつも思うの。

だってサユじゃ、ママを笑わせること、できないんだもん」

「そんなことないよ」

「ううん。そうなの。

だからパパもイヤだと思う。
ママやおじちゃんにごめんって言われたら、悲しいと思う」

「……サユちゃん」


わたしの頭を撫でていた、おじちゃんの手がとまる。

あれ、変なこと言っちゃったのかな。

でもそうだもん。

ママを泣かせた時、サユは自分がキライ。

パパだって、そうだと思う。
パパが自分をキライになっちゃう。


ふわりと、おじちゃんの腕がわたしを包んだ。
赤ちゃんみたいに、持ち上げられて抱っこされる。

< 10 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop