幸せ家族計画
「やっぱり」
焦りを抱えたまま、他のゴミを確認しつつ戻して行く。
そうして、その本体を見つけ出した。
簡単には見つからないように紙袋に包んだ彼女の気持ちを、どう考えればいいのだろう。
どうして素直に俺に伝えてくれなかったのだろう。
伝えられないほど、俺は綾乃を追いつめていたのか?
これ以上に嬉しいことなんてある訳が無いのに。
「綾乃……」
検査薬のラインは2本。
陽性だ。
「妊娠したんだ」
声が震えた。
避妊をしなかったのは、あの日たった一日だけ。
奇跡のような確率で、あの日に俺たちの赤ん坊が宿ったというのなら
それには大きな意味がある。