幸せ家族計画
「紗彩のところに居るんだろ?」
『……どうして』
「お前の事なら何でも分かる」
『……』
返ってくるのは沈黙。
当たり前か。
今のは、本当は嘘だもんな。
「嘘だよ。本当は分からない。だけど分かるようになりたいんだ」
『達雄』
「顔を見て確かめたいことがあるんだ。今から迎えに行っていいか?」
『待って、紗彩さんに聞かないと』
紗彩と綾乃の会話が小さく聞こえる。
一体何の話をしていたんだか。
本当に、綾乃の事が何でも分かったら良いのに。