幸せ家族計画


「紗彩のところに居るんだろ?」

『……どうして』

「お前の事なら何でも分かる」

『……』


返ってくるのは沈黙。

当たり前か。
今のは、本当は嘘だもんな。


「嘘だよ。本当は分からない。だけど分かるようになりたいんだ」

『達雄』

「顔を見て確かめたいことがあるんだ。今から迎えに行っていいか?」

『待って、紗彩さんに聞かないと』


紗彩と綾乃の会話が小さく聞こえる。
一体何の話をしていたんだか。

本当に、綾乃の事が何でも分かったら良いのに。

< 120 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop