幸せ家族計画
『もしもし? 来てもいいって。私、待ってればいい?』
「ああ、車で行く。じゃあ切るぞ」
『うん。……あの、達雄。ごめんね、無断で紗彩さんのところに来ちゃって』
「いいよ。また後でゆっくり聞く」
『うん』
思ったより、綾乃は落ち着いていた。
紗彩がなんか言ってくれたのだろうか。
アイツはなんだかんだと、人の心の機微には敏感だ。
俺よりもずっと、綾乃の気持ちを理解してくれるのかも知れない。