幸せ家族計画
「……可愛いなぁ」
無意識に呟いていたんだろうか、紗彩が小さく笑った。
「なんだよ」
「何でもないわよ」
「嘘つけ」
「嬉しいのよ。サユの事、本気で可愛がってくれてるから」
「俺も嬉しいよ、可愛い娘ができたんだから」
そう言って、そっと紗彩の肩を抱く。
「ちょっと、お客さんも居るんだから」
「あいつらだって今はお取り込み中だよ。30分は邪魔しない方がいいと思うぞ」
「そんな事言っ……」
紗彩を黙らせるにはキスが手っ取り早い。
「む、……っはぁ」
苦しそうにもがいて俺の腕から脱出すると、息を整え赤くなって軽く俺を睨んだ。
いくつになっても、こんな時は女の子みたいで、ついつい意地悪をしたくなる。
そうそう簡単に逃がすもんか。