幸せ家族計画
「まだダメ」
「ふっ……ん」
もう一度キス。
頭の後ろを押さえて逃げられないようにする。
唇の角度を変えながら、空いている方の手で鎖骨の辺りを撫でると、彼女が時折り体を震わす。
その反応を楽しんでいると、紗彩の手が俺の耳たぶを掴んだ。
「痛っ」
「もうっ、ダメって言ってるでしょ。後で!」
「後でならいいのか」
「え? あっ……」
紗彩の顔がみるみる赤くなる。
「あはは」
面白すぎる。
でもこれ以上苛めるのも可哀想なのでいい加減やめよう。
「もうっ、知らない」
「そんな怒るなって」
そう小声で言い合っていると、扉がノックされた。