幸せ家族計画
ウェイトレスさんが、私たちの注文を持ってきたところで、葉山さんが「あ、もう一つコーヒー」と告げる。
ウェイトレスさんは20代後半くらいに見えたけど、少し頬を染めて会釈していった。
葉山さんってモテるんだな、なんて思っちゃう。
まあ気持ちは分かる。
整った顔立ちをしているっていうのもあるけど、全体的に自信が全身からあふれ出ているような雰囲気があって、一瞬人を引き付けるものがあるもの。
目の前にはサービスランチが湯気を立ててる。
パスタがおいしそう。
「俺にかまわずどうぞ? 飯はもう食ったんだ」
「じゃあ、いただきます」
葉山さんの言葉を皮切りに、私たちは手を合わせて食べ始めた。
トマトソースが良く絡んでいておいしい。
葉山さんが注文したコーヒーが来た頃、何故か達雄のフォークは動くが鈍くなっていた。
「どうしたの? 達雄」
「うん。ちょっと腹痛くて」
「え? 大丈夫?」
そう言われてみれば顔が少し青いかも。