幸せ家族計画

でも、私が大人になってからでも、彼はずっと兄で居ようとしていた。
それは、やっぱり家族としての関係を失いたくなかったからなんだろうか。

数年前の事を思い出して、少し思案していると、
頭の上の方からあっけらかんとした声が振ってきた。


「でも幸せにできてんじゃんな」


サラリとそう言う葉山さんは、何故かとても満足そう。

やっぱり、達雄と葉山さんは親友なんだなって思ってしまう。


「ふふ」

「なに?」

「達雄の親友が葉山さんで嬉しいです」

「それは光栄だねぇ」


そのセリフ。
紗彩さんも言ってた。

やっぱり一緒に居ると似てくるものなのかな。

なんだか嬉しくなって、コップのお水を飲んだ後、また食事を再開した。


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