幸せ家族計画

紗優の声につられて、英治くんが後ろからやってくる。


「いいだろ。全室露天風呂付きなんだ。夕暮れの頃や星の見える頃に入ったら綺麗だぜー。
あ、でも。大きい風呂が良ければそっちもあるよ」

「う、うん」


ちょっとびっくりした。
ホテルとか、英治くんにまかせっきりにしてたけど、結構高いんじゃないかしらここ。


「家族風呂ってやつ」


ぼそりといった英治くん。

動きが止まる私と紗優。


「家族……風呂?」

「ああ。俺ちょっと憧れてたんだよな」


嬉しそうに、ベッドに腰をかけてそう言う彼に。
何も言えなくて私と紗優は顔を見合わせる。

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