幸せ家族計画

 サトルくんに会える。

その事実に、わたしの心は浮かれっぱなし。

サトルくんは保育園の時に一緒だった、一つ年下の男の子。

くりっとした可愛い顔をしていて、優しくて泣き虫だった。


その頃、ママがすごく忙しくて大変そうで。

わたしは、ママを困らせたらいけないと思っていたから、
イヤなことがあってもいつも我慢していた。

そんな私に、

『サユちゃん、泣いて』

そう言ってくれたのがサトルくん。

そのおかげで、ずっと我慢してた涙が一杯一杯あふれ出てきて。
気持ちがすーって楽になったの。

あの日から、わたしにとってサトルくんは特別な男の子。
他の子とは違う男の子。


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