幸せ家族計画

「紗優、用意できた?」

「うん」


ママに急かされて、家を出る。
お父さんの白い大きな車。

ママと二人の時は電車やバスが多かったから、大きい車は楽チンな感じがする。

音楽が流れて、一つの小さなお部屋みたい。
ママの柔らかい声とお父さんの低いけど楽しそうな声は、まるでお歌みたい。
聞いてると、とっても幸せな気持ちになって眠くなっちゃう。


サトルくん。

どんな顔するかなぁ。
にこって笑ってくれるかな。

どんな話をしよう。
サトルくんが好きなのは、ゲームとキャッチボールだった。
ゲームの話は分からないから、キャッチボールの話をしようかなぁ。

車が揺れて気持ちいい。
わたしの胸もそれにつられて何だか弾んでいるみたい。

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