幸せ家族計画
「サトルくん!」
「やっぱり、サユちゃんだ。
おかあさんがサユちゃんが来るかもって言ったから見に来たの」
「久しぶり! サトルくん」
嬉しくってサトルくんの傍に近寄る。
あれ?
まっすぐむいたところに、サトルくんの目がある。
前はわたしの方が背が高かったのに。
今は同じくらいだ。
「サトルくん、背のびた?」
「んー。わかんないけど。サユちゃんがおっきくない」
「わたしも背伸びたんだけどなー」
「それよりサユちゃん、みて。僕んちの赤ちゃん」
サトルくんと並んでガラス張りのお部屋を覗く。
でもやっぱり自分の大きさじゃ顔まで良く見えない。
サトルくんも同じみたいで、一生懸命背伸びをしている。
「ホラ」
その低い声が響いた途端、体が宙に浮いた。
真ん中にお父さんが入って、右腕にサトルくん、左腕にわたしをつかまえて持ち上げてる。
すごーい。お父さんは二人を持ち上げても平気なんだぁ。