幸せ家族計画
これは参ったぞ。
どうすればいいんだ。
俺は何事に動じない方だけど、サユ以外の子供はさすがに専門外だ。
「サトル!」
その時助け船が到着した。
サトルの父親だ。
「どうしたんだ。葉山さんすいません。サトルどうしたんですか?」
「それが、サユとケンカしちゃったらしくて」
「何やってんだ、サトル」
「だって、だってぇ……」
サトルの父親は、少年を抱き上げる。
ギュッと首にしがみつく様は、何だかサユを連想させる。
「サトルくん、ごめんな。
サユにも言っとくよ。
なんかサユに伝えたい事あるか?」
「……っく。サユちゃんに、ごめんって」
「うん。分かった言っとく」
「あと、ボクの事嫌わないでって」
「ああ。分かったよ」
なんだかんだ言って可愛いな。
まだこんなちびすけだもんな。
まだ泣き顔のままのサトルに手を振って、その場を離れた。