幸せ家族計画
夕飯はホテルの一階にあるレストランで食べることになっている。
折角の旅行ということで、普段はめったに着ないグレーのシックなワンピースに着替えた。
「ママ、可愛い」
「紗優も可愛いわよ」
紗優はパステルピンクの薄地ニットに、ふわふわのティアードスカート。
今日の為に選びに選んだっていう、彼女のお気に入りの服だ。
「行こう、二人とも」
そういう彼は、タートルネックのニットにジャケットを羽織ったっていうくらいのラフなスタイルだ。
扉を開いて待っていてくれるその姿は、肩幅が広くがっしりとしてとても逞しく見える。
緩く笑う顔はどこか色気があって、ドキドキする。
こうやって改めてみると、英治くんって格好良いんだ。
付き合う流れもあんなのだったから、あんまり真剣に容姿を気にしてなかったけど、果たして私は一緒にいてちゃんと釣り合ってるのかしら。