幸せ家族計画
さあどうしよう。
さっき後回しにしてしまった大問題。
英治くんの希望を尊重するか。
紗優の乙女心を尊重するか。
「あーもー腹いっぱい」
ゴロンとベッドに横になり、テレビをつける英治くん。
窓際ではしゃぎながら夜景を眺める紗優。
ああ、私どうすればいいんだろう。
立ちすくんだまま悩んでいると、彼の声が降ってきた。
「サユと紗彩、風呂入っておいでよ」
「え?」
「サユ、恥ずかしいってさっき言ったから」
「聞いてたの?」
「聞こえるよ。同じ部屋にいるんだから」
淡々と言う彼の口調は、いつもと変わらないけど。
あんなに嬉しそうにしてたのにって思うと、そのまま頷いていいのか分からなくなる。