幸せ家族計画
「違うの。
英治くんモテるから嫌なの。
お母さんたちって、旦那さんいてもそういうノリがいいんだから……」
徐々に声が小さくなり、顔を赤くしてうつむく。
相変わらず、反応が可愛いな。
もうすぐ40の男がそんなにモテる訳ないじゃないか。
気にしすぎだろって思うけど、それは裏返せば紗彩が俺の事を好いてる証だ。悪い気はしない。
「だから、もう結婚もしたしモテないって」
「でも」
「俺も一度くらいサユの学校生活見てみたいんだよ」
「……そうね。お願いします」
悩み疲れたとでも言うように、肩に頭を乗せてくる。
その仕草が可愛いので、肩を抱いて唇を寄せる。
「英治くん」
「後で俺のお願いも聞いてよ」
「何?」
「ベッドで『お願い』って言われてみたい」
「もう! 変態!」
「はは。男なんてそんなもんだよ」