幸せ家族計画
「でも」
「女の子だし、色々あるでしょ。義理の父親だからね。そこまで強要したくない」
「英治くん」
彼は顔を近づけて、耳元でこっそり囁く。
「その代わり、後で紗彩が一緒に入ってくれるんでしょ?」
「なっ!」
「楽しみにしてるから」
言い逃げるように、ごろりと横になって。
私はバクバクした心臓を押さえながら、紗優と浴室に向かう。
「大浴場の方がいい?」
「ううん。ここで景色みたい」
普通の家のお風呂より少し大きいくらいのサイズだから、私と紗優なら丁度いい大きさだ。
湯船につかって夜の海と夜景を一望する。
「綺麗だね」
「うん。海見るの久しぶり」
「そうね」