幸せ家族計画
「……ちょっと失礼、紙詰まりだと思うんですが」
「はあ、凄いですね。葉山さん」
「一応、そういう会社に勤めてますんで」
「へえ! じゃあ、これも教えてもらっていいですか?」
「え?」
わらわらと集まってくる教師陣。
やれスキャナだの、印刷機だの、パソコンだの。
おいおい、学校関係にこういうの詳しい人間はいないのかよ。
……一つ分かったことがある。
学校では能力を見せたら負けらしい。
ただでいくらでも使われることになる。
今度紗彩にも教えておかねば。
俺が集まった教師陣の疑問質問に答えていると、職員室の扉を叩く音がした。
「先生、チャイム鳴ったんですけど……」
現れたのはサユだ。
助かったと思ってそっちを見ると、サユは膨れた顔をして入ってくると俺の腕を掴んでひとだかりから引っ張り出す。