幸せ家族計画
「サユ、今日は楽しかった? お父さんちゃんと見てくれた?」
「うん。でもねーお父さん色んな人に囲まれて大変だった」
「やっぱり?」
紗彩は腹の辺りを押さえながら俺を非難するように見る。
なんだよ。
俺が悪いんじゃないぞ。
「だから嫌だったのよ。英治くんって人を寄せ付けるとこあるんだもん。私も一緒に行けばよかったかしら」
「でも大丈夫だよう。わたし、ちゃんとお父さんをひっぱりだしたもん。
だってわたしのお父さんなんだから!」
胸を張ってそういうサユと、胃が痛そうにしている紗彩を見て。
案外サユの方が強そうだななんて思ったことは、紗彩には内緒にしておこう。
【fin.】