幸せ家族計画


「ありがとう」


英治くんのお腹のあたりに顔を押しあてる。
何だかみられるのが恥ずかしい。


「ん? なんで?」

「私、毎年、誕生日の度にこの話を思い出せそう」

「そうだな。サユにも話してやろうな」

「……うん」


あれだけ紗優を溺愛してても、ちゃんとユウを家族にいれてくれてる英治くん。
私はこの人じゃなかったら、こんな風に今の幸せを素直に受け入れられなかっただろう。

お腹をさする。
まだ全然目立たないけど、確かに此処で、つわりという形で存在を主張する赤ちゃん。


「じゃあ、この子の名前は英治くんがつけてね?」

「え?」

「お父さんからの贈り物でしょ」

「はは。それは責任重大だな」


私の手の上から、彼もお腹に手をあてた。


「男かな、女かな」

「さあ、どっちでもいいけど」

「娘はサユが居るから。男でもいいな」

「そうね。でも、そううまく行くかしら」

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