幸せ家族計画

やがて彼の唇が落ちてきて、私のそれと重なり合う。
お腹を押しつぶさないように少し体をずらして抱きしめられた。


「苦しくない?」

「平気」

「赤ん坊が生まれるのは嬉しいんだけど。
紗彩が元気ないのはつまんないな」

「そう?」

「サユの誕生日は一緒にでかけよう。その日はママを困らすなよ?」


お腹を軽くつつきなら、そんな事をいう英治くんが何だか愛おしくて。


「大好き」

「ん」

「でも、……ごめん。ちょっと気持ち悪い」

「大丈夫か?」


体制を立て直して呼吸を整える。
水を飲んだら少し気分が良くなった。


「早く元気になってくれないと、我慢が利かなくなりそうだ」

「そう言われてもね」

「ハイハイ。我慢しますよ。風呂入るなー」

「うん」


しばらくお預けされてる彼は、色々と大変らしい。


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