幸せ家族計画
「さあ、じゃあ行くぞ。水族館でいいか?」
「うん。あ、でも、サトルくんは?」
「ボク、どこでもいいです」
「本当は天気いいから外で遊んでもいいんだけどな。
ママが体調良くないから勘弁な」
そう言って車を走らせる。
私への気遣いもあったのかと思うと、ちょっと嬉しい。
「サユちゃん、久しぶり」
「う、うん」
紗優は何故かカチカチになっている。
英治くんが、紗優には物より思い出をプレゼントしたいって、どっかのCMみたいなことを言っていたから、サトルくんと一緒にどこかに連れて行ってあげようって事になったのだけど。
実は逆効果だったかしら。
景色がどんどん流れていく中、紗優とサトルくんは会話もはずまないようで静かに窓の外を見ている。
困ったな、どうしよう。
「サトルくん、双子ちゃん可愛い?」
「えっと。毎日ちょっとうるさい。おとうさんもおかあさんも忙しそう」
会話を盛り上げようと話題を振るも、いまいち発展していかない。