幸せ家族計画
「サトルくんと紗優はずっと仲が良かったんでしょ?
大丈夫よ。すぐに元通りになれるわ?
その為には紗優が色んな事気にしない方がいいのよ」
「でも。わたし、変じゃない? 髪の毛もおかしくない?」
「服はちゃんと可愛いわよ。でも今の顔ではちょっと不細工かも。笑った方がいいわよ」
「えっ」
「ホラ、笑って」
脇に手をいれてくすぐってみる。
「やだ、ママ。やめて、あはは」
くすぐったさに目を細める紗優。
やっぱり、ニコニコした顔が一番可愛い。
「今の顔がいいわね」
「ホント?」
「本当。心配ならお父さんにも聞いてごらんなさい」
「うん!」
パタパタと駆け出して行き、チケットを買っていた英治くんの腕を引っ張って耳打ちする。
彼は紗優の目線まで体を折り曲げて、笑いながら何かを話している。
そのうちに嬉しそうな笑顔をして、サトルくんに向き直った。
「サトルくん、行こう?」
紗優が差し出した手を、サトルくんが握る。
その顔がふわりと笑顔に変わった。
この子も笑顔の可愛い子だ。