幸せ家族計画
「大丈夫だろ。綾乃ちゃんって事務の方だろ? だったら立ちっぱなしな訳でもないだろうし。
休憩だってあるだろ?」
「それはそうなんだろうけどさ。今時期お中元が多いからサービスカウンターを手伝ってるって話も聞くし」
話している間に注文したものがテーブルに置かれる。
いい匂いに一瞬言葉を失くしてしまう。
それを見ていた英治はクスリと笑った。
「そんなに心配ならやめろって言えばいいじゃん。お前の稼ぎだけで食えない訳じゃないんだろ?」
「まあ、今のところはな。でも。
ずっと家にいさせるのも可哀想なのかなって思って。
息つまるだろう。ストレスになってもいけないと思うし」
「じゃあ、ほっとけば良いじゃん。辛かったらやめたいって言うだろう」
「それはそうなんだけどさー」
結局、英治に話しても堂々巡りだな。
どうしてだろう。
俺の中で答えが定まっていないからか。