幸せ家族計画


「照れない照れない。美羽ちゃん、例えばだけど、彼氏や旦那に仕事やめて家に居ろって言われたらどう?」

「おい、英治」

「専業主婦に……ってことですか?」

「そう」


墨田さんは突然振られた話題に目をパチクリさせてる。


大体、英治はちょっと説明不足なんだよ。
俺は焦って、補足した。


「違うんだ。妻がね、今妊娠中で。職種はスーパーの事務なんだけど。
腹も大きくなってきてるのに毎日8時間とか働いてるから。大丈夫なのかちょっと心配になって」


そう自分から説明してみるも、言葉に出すと何ともウザイ男のような気がしてくる。


「ああ、そういうことですか。
私は妊婦さんになった事は無いですが。立ち仕事でないなら大丈夫だと思いますけど。

職場の理解はある方ですか? 
例えば、体調が悪くなったらすぐ休めるような雰囲気があるかとか」

「周りは主婦が多いって言ってたから、理解はあると思うけど。
綾乃は言わない気がする。結構爆発するまで溜めこむ方なんだよ」

「お前もじゃん。だからはっきり言えばいいんだよ。
自分が家に居て欲しいから仕事やめて欲しいんだって」


横から、英治が口を出す。
そんな身も蓋もない事言うなよ。

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