幸せ家族計画
夕方、綾乃の仕事終わりに合わせてスーパーまで車で迎えにでる。
両手にマイバックを持った綾乃が出て来るのを見て、俺は慌てて車から出る。
「綾乃。重い荷物持つなって言ってるだろ」
「あ、達雄。迎えに来てくれたの?」
「ほら、貸せって。
お腹大きいんだから無理すんなよ」
「ふふ。ありがとう。力持ちだねーパパは」
お腹を撫でながら無邪気に笑われて、自然に顔が熱くなる。
パパとか言われるのは、かなりいい。
「ね、今日胎動みたいなの感じたんだよ?」
「ホントか?」
「うん。達雄の居る時にまた分かったら教えるね」
「ああ」
胎動。
なんかドキドキする。
俺には一生かかっても分からない感覚なんだろう。
男と女って、こうして見るとどうやっても共有できない部分ってあるんだよな。