幸せ家族計画
「ねぇ。お父さん暇だよー。遊ぼう?」
「ああ、いいけど。サユ宿題は?」
「あ、まだ終わってない」
「じゃあ終わってからな」
「はぁい!」
お菓子を口に2個放り投げ、テレビを消してから、サユは自分の部屋へと入って行く。
そして俺はといえば、再び名づけの本に目を向ける。
そう言えば、俺の名前つけた時はどうだったんだろう。
親父に聞いてみるか?
でもこんなことで電話するなんて嫌だな。
今まで、あんまり悩まずに何でも決めてきたから、人に相談ってのもあんまりしたことが無い。
達雄に言うのも親父に言うのも、何だか反応が気になってダメだ。
ふうと溜息をつく。
サユがいなくなると途端に室内は静かだ。
凝った首をひねった時ふと思い当る。
そういえば、近くに居るんだよな。
俺と同じ悩みを経験していて、反応を気にしなくてもいい人間が。