幸せ家族計画
閃きかけたところで、サユが口を開く。
「ところで、わたし思ったんだけど」
「うん」
「赤ちゃんの名前、わたしと同じつけ方じゃダメなの?
お父さんとママから一文字ずつ。
そうしたら、なんか一緒でうれしいんだけど」
その考えがまるきり俺と同じものだったから、自然と頬が緩んでくる。
血の繋がりなんか無くたって大丈夫。
俺たちはちゃんと繋がってるって、そんな自信が湧きあがってくる。
ニヤニヤ笑いを見られないように、自分の頭より上にサユを持ち上げた。
「それだ。それがいい。そうだなー。男なら彩治、女なら紗英でどう?」
「うん、すてき」
にっこり笑って、首に腕を巻きつけてくるサユ。
紗彩は少し遠くから、俺たちを満足気に見ている。