幸せ家族計画
「どう? 紗彩」
「いいわよ。素敵」
「サユと俺の名前でもいいな。優治と優英とか。もう一人作ろうか、紗彩」
「産む前からそんな事言わないでよ! だいたい、そんなに何人も産めないわよ。私をいくつだと思ってるの」
「サユは何人兄弟いたっていいだろ?」
「えー、でも。ママもお父さんも夢中になったら困るから。一人でいい。わたしだってまだ甘えたいもん」
素直にそう言って笑うサユが可愛くて、ギュッと強く抱きしめる。
サユは「苦しいよう」ってうめいた後、ぴょんととび下りて紗彩の傍へ行った。
「良かったね。赤ちゃん。名前決まりそうだよ」
お腹に向かってそう呼びかけるサユが、少し大人びて見えた。