幸せ家族計画
その夜、サユが寝た後、俺たちは夫婦の寝室でくつろいでいた。
俺はベッドに腰かけて、紗彩は大きくなってきたお腹が辛いのか、横を向いて寝転んでいる。
「今1キロあるんですって」
「赤ん坊?」
「そう。私の体重はもっと増えてるのにって思うと、なんか悔しいわ」
「はは。良いじゃん。元々やせ気味なんだから。少し肉つけてもいいよ」
「そんな事言われると油断しちゃうからやめて。
最小限にしたい。だってそろそろ体重とか落ちにくくなってるんだもの」
溜息をつきながらそんな事を言うから、体を寄せて唇から溜息を吸いこむ。
「溜息つくと幸せが逃げるぞー」
「もう」
「ホントだろ。今は健康な子供生んでくれる方が大事だよ。
大丈夫、太ったくらいなら嫌いにならない」
「ホントかしら」
「信用しろよ」
ベッドの隣に入り込んで抱き寄せる。
ちょっと前までは全身が密着したのに、今は腹が当たってしまって、上半身だけが触れあう感じだ。