幸せ家族計画
夕飯を作り終えた頃、英治くんが帰ってくる。
「ただいま。お、魚かー」
ニコニコと鼻歌を歌いながら、ネクタイを緩める。
帰ってきて、匂いで食材を当てるのが彼の今のブームらしい。
前に真面目な顔でそんな事を言われて笑ってしまった。
機嫌の良さそうな英治くんにつられるように、私まで気分が高揚する。
上着を預かって寝室のハンガーにかけてくると、その間に紗優がビールをついだらしく、おいしそうに唸ってる。
食事を終えて片付けをしていると、彼が傍にやってきた。
紗優はお風呂に行ってしまったので、手持無沙汰なのかしら。
「どうしたの?」
「何でも。疲れない?」
「大丈夫。今日は定時で上がってきてるし」
「そっか。産休ももうすぐだもんな」
「うん。仕事のメドもついたし。彩治くんが生まれるの待つばかりね」
「ああ」
嬉しそうに笑って、お腹を一撫でする。
ちょっと飲み過ぎかも。結構お酒臭い。