幸せ家族計画
「なんか今日機嫌いいのね」
「うん。まあね。俺今日『幸せですか?』って聞かれてさ。
ああそうだな、幸せだなぁ、なんて思ったからさぁ」
「……誰に?」
そんな事聞かれたの?
首を傾げて聞くと、サラリと答えが帰ってくる。
「美羽ちゃんに」
「美羽ちゃんって……あの?」
「うん。前に話したろ。名づけの時に相談にのってもらった子」
「なんでまだ会ってるの!」
予想以上に大きい声が出てしまったけど。
だって。違う会社の子でしょ。
連絡でもとらなきゃ会える訳ないじゃない。
なのになんで。
こっそり番号交換とかしてたの?
イヤだ。
さっきまで凄く幸せ気分だったのに、今度は凄くモヤモヤしてきた。
胃の辺りが重たくてイライラする。
「いや、偶然公園で会ったんだ」
「偶然?」
疑いの眼差しで見ると、英治くんが焦りだす。
「ホントだって。外回りしてた時偶然会って。
ちょっと話したんだ。それだけだよ」
「それだけって……」
「妬いてる?」
図星を指されて、カッと顔が赤くなる。