幸せ家族計画
「そんなんじゃ無いです」
嘘だ。
妬いてる。
なんでだろう。
もう結婚して子供まで生まれるのに。
私ってヤキモチ焼きだ。
「……ママ?」
そこにお風呂上がりの紗優が入ってくる。
私と英治くんの顔を見比べて、不安そうな顔をする。
「ケンカしてるの?」
「え?」
「違う違う。ちょっと話してただけだよ」
英治くんが笑ってそういうけど、紗優は私の方をじっと見てる。
この子は、人の顔色には敏感な子だ。
違和感を感じているのだろう。
「な、何でもないわよ。ホラ紗優はもう寝なさい。
ママ一緒についてってあげるから」
小さな背中を押して、紗優の部屋へと向かう。
寝かせている間に、少し落ち着かなくちゃ。