幸せ家族計画


「そんなんじゃ無いです」


嘘だ。
妬いてる。

なんでだろう。
もう結婚して子供まで生まれるのに。
私ってヤキモチ焼きだ。


「……ママ?」


そこにお風呂上がりの紗優が入ってくる。
私と英治くんの顔を見比べて、不安そうな顔をする。


「ケンカしてるの?」

「え?」

「違う違う。ちょっと話してただけだよ」


英治くんが笑ってそういうけど、紗優は私の方をじっと見てる。

この子は、人の顔色には敏感な子だ。
違和感を感じているのだろう。


「な、何でもないわよ。ホラ紗優はもう寝なさい。
ママ一緒についてってあげるから」


小さな背中を押して、紗優の部屋へと向かう。
寝かせている間に、少し落ち着かなくちゃ。

< 305 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop