幸せ家族計画
「……英治くんがユウに負けることなんてないわよ」
「紗彩?」
「ユウはもう私を傷つけない。私があの人を嫌いなることもない。
その代わり、……こんな風に揺さぶることもないわ」
「……」
「私、ヤキモチ焼くたび、英治くんが好きなんだって思い知る。
苦しくてイヤだなって思うのに、その後自分の傍に来てくれたら凄く嬉しくなる」
彼の手が、私の肩に伸びる。
大きくて温かくて。
もう何度も触れられているはずなのに、こんな雰囲気の時はドキドキする。
「どんどん好きになって、どうしたらいいか分からなくなる」
吐き出した言葉は、英治くんの唇に拾われる。
「んっ」
優しく重なってくるキスは、私の不安をゆっくり丁寧に溶かしていくみたい。
私がすっかりおとなしくなると、彼はゆっくり唇を離す。