幸せ家族計画


「そんな時は、こうすればいいんじゃない?」

「え?」

「キスしたり、抱き合ったりして。
紗彩は俺のものだって体に刻みつける。

俺も紗彩のものだよ? 確認する?」

「ちょっと!」


言いながら、もう手が動いてるんですけど。

胸元がはだけて、涼しい空気が入ってくる。
私は慌てて両手でそれを抑える。


「こ、ここじゃダメ」

「じゃ、部屋行こうか。ゆっくりな。お腹の彩治がびっくりするから」

「もう!」


手を引っ張られて寝室に入り、ゆっくりとベッドに倒される。


「電気は」

「つけなくてもいいでしょ。どうせすぐ消してって言う癖に」

「まあ、ね」


読まれてる。
恥ずかしい。

そのまま、お腹をつぶさないように上半身だけ重ねてきた英治くんは、唇が触れる手前で小さく呟く。


「俺、ユウさんに負けない?」


笑ってるその目の奥には、ずっと不安があったのかも知れない。
彼の頬に手を伸ばして挟み込む。

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