幸せ家族計画
思えば今まで、ハッキリと彼とユウとに優劣をつけた事はなかった。
ううん。
それはきっと、彼が言わせないようにしてくれてたんだ。
いつだって「気にしてないよ」という風に笑ってくれた。
私が困らないように。
本当はもっと早くに、伝えてあげなきゃいけなかったのに。
彼の目を見たまま、言葉を紡ぐ。
「負けないわ。だって、英治くんの事はどんどん好きになるんだもん」
「はは」
笑ったまま、肩に顔をうずめる。
「きゃ……やん」
そのまま手は体中をまさぐって私の体を熱くさせていくのに、頭の位置だけは動かない。
泣いてるの?
なんて、聞けないから。
精一杯の力で抱きしめる。
「ホントよ。愛してるわ」
「美羽ちゃんに、感謝だな」
「……ベッドで他の女の子の名前呼ばないで」
「はは、分かった分かった。お詫びはたっぷりするよ」