幸せ家族計画
ようやく顔をあげた彼は、言葉通りの優しいキスと丹念な愛撫で私を翻弄する。
息が上がりっぱなしで、体中は汗だく。
だけど、ずっと彼と触れあっていたいと、そう思った。
ユウから手を離してしまったような寂しさもあったけれど、それ以上に安心した気がする。
私はもうちゃんと踏み出せていたんだ。
彼のいない世界へ。
英治くんの居る世界へ。
「あ、やべ」
英治くんは軽く舌を出して、私の太ももの辺りを撫でる。
「検診の時に見られたらやばいかな」
「そう思うならやらないで……」
気付いた時は後の祭りで。
火照る体に色づいたたくさんの花が、私は彼のものだと主張していた。
【fin.】