幸せ家族計画
寝室に入ると、彼がいつものように手招きをする。
「おいで」
部屋の中央にドンとあるのは、ダブルのベッド。
彼が、これだけは譲らなかった。
前の家にはお互いのベッドがあったから、それを持ってこようって言ったのに、
ベッドだけは新調すると言って聞かなかった。
一つしかないから、何があっても一緒に寝る。
ケンカをしても、達雄の帰りが遅くても。
彼の脇に滑り込んで、その腕と体の間におさまる。
慣れた匂いが私を包んで、少しドキドキする。
「お疲れ、アヤ」
キスをおとして、労わるように頬を触る。
離れたかと思った唇は、すぐに角度を変えてまた落ちてくる。