幸せ家族計画


「お父さん?」


不思議顔のサユをお腹の辺りで抱きしめる。


「見るな」

「また泣いてるの?」

「内緒だって言ったろ」

「うん、……でも」


サユの手が背中に回る。
こんなに小さいくせに、なんでこんな温かいんだ、この子は。


「……中々入れないね?」


困ったような呟きに、小さく「ごめん」と返事して。
それでもそこから10分間。
俺たちは扉の前で立ちつくしていた。


例え血のつながりなんか無くたって、俺は一生この子を大切にする。
自分の子供だと思って生きていく。

初めての自分の子供が生まれた日に、誓った事はそれだった。

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