幸せ家族計画
「疲れたよ」
「明日休みだろ?」
「うん」
「じゃあもう一仕事して」
甘えるようにそう言って、私のパジャマのボタンをはずす。
煌々とついている室内灯がまぶしくて、私は目をそらしたまま言った。
「……ちょ、電気、け……して」
「駄目」
「お兄ちゃんっ……」
思わずその呼び名で呼ぶと、彼は私の鎖骨をぺろりと舐めた。
「やーん。くすぐったい!!」
「その呼び方無し」
「……だって」
「でないと」
「やっ、……も、くすぐったい。やめてー」
私は実は首が弱い。
くすぐったがりなのだ。
それもいつの間にか知られてた。
楽しそうに体をなぞって、時折りこもった笑い声を出す。