幸せ家族計画


「疲れたよ」

「明日休みだろ?」

「うん」

「じゃあもう一仕事して」


甘えるようにそう言って、私のパジャマのボタンをはずす。
煌々とついている室内灯がまぶしくて、私は目をそらしたまま言った。


「……ちょ、電気、け……して」

「駄目」

「お兄ちゃんっ……」


思わずその呼び名で呼ぶと、彼は私の鎖骨をぺろりと舐めた。


「やーん。くすぐったい!!」

「その呼び方無し」

「……だって」

「でないと」

「やっ、……も、くすぐったい。やめてー」


私は実は首が弱い。
くすぐったがりなのだ。

それもいつの間にか知られてた。
楽しそうに体をなぞって、時折りこもった笑い声を出す。

< 36 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop