幸せ家族計画

「結婚して良かった」


それが今の一番の気持ち。

ぽそりと呟いたら、眠り姫が目を開けた。
呆けた表情で辺りを見つめ、俺とサユの顔を交互に見た後口を開いた。


「……赤ちゃんは?」

「元気。今は保育器に入って新生児室にいる」

「そう。良かった」


ホッとした表情で笑い、枕元にいるサユの頭を撫でる。


「紗優、ごめんね。寂しかったでしょう」

「大丈夫、お父さんが一緒だから。わたしの弟、産んでくれてありがとう、お母さん!」


サユの言葉に驚いたように目を丸くする。
そんな紗彩の手を俺は布団の下から、ギュッと握りしめた。


「……ありがとうな、紗彩」


すると紗彩は、軽く頬を染めてその手を握り返す。

胸をくすぐる表情は何とも言えないほどそそる。
色々いたずらしたい欲望にも駆られるけど、まあ、サユの前だから我慢しよう。

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