幸せ家族計画
そして夜、達雄はいつもにも増して早い時間に帰ってくる。
「ただいま、アヤ」
「お帰りなさい」
いつもはわんわん騒いでいるキズナの声がしないのを不審がって、彼はきょろきょろあたりを見回す。
「あれ、今日はキズナ泣いてないのか?」
「さっきまで起きてて、また寝ちゃったところ。昼間結構寝てるから。また夜起きるかも知れない」
「そうか」
「今のうちにご飯食べちゃう?」
ご飯茶わんを持ってそう聞くと、彼は私の近くまで来て茶碗を奪い取った。
「達雄?」
「アヤ。あのさ。……あの」
「うん」
目を泳がせながら、でも一生懸命話そうとしているので、ちょっと緊張しながら向き直る。
一体何の話なんだろう。