幸せ家族計画


「……達雄」

「何?」

「電気、消して?」


甘えるようにお願いすると、彼は笑ってリモコンで電気を消した。

そしてもう一度、深く優しいキスをする。


「アヤ、好きだよ」

「……私も」


そして、彼の手によって、私は再び惑わされる。
うわ言のように私の口をついて出るのは、やっぱり『お兄ちゃん』で。

その度に、彼はお仕置きのキスをする。
だけどそれはむしろ逆効果で。


『お兄ちゃん』を禁句にするのは、中々に難しい……。



【fin.】
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