幸せ家族計画
「うえっ、うえっ」
「……起きたか?」
和室から聞こえてくる泣き声。
赤ちゃん用の布団を引いて、彩治のお昼寝部屋にしてる。
襖を開けると、すでに紗彩が彩治を抱き上げていた。
「よしよし、おはよう彩治くん」
「うえ、う……」
生まれたばっかりの時は寝てばかりだったのに。
最近は起きてる時間が増えてきた。
サユいわく、目の前を通ると目が追っかけてくるんだそうだ。
「元気になったかな? オムツ見せてねー」
横にされると彩治はまた泣きそうになる。しかし、母は強し。
紗彩は一気にベビー服のボタンをはずし、手際よくオムツを換えた。
その間は泣いていても容赦なし。
この辺りに2人目の余裕を感じる。
「……どうかした? 英治くん」
再び彩治を抱きなおした紗彩がきょとんと俺を見る。
「いや」