幸せ家族計画
「……何?」
「俺もオムツとか替えてみたいんだけど」
「え? そうなの?」
「だって、こんなことやるチャンス今しかないし」
「それはそうかも。じゃあやる?」
「やってみよう」
腕まくりをして意気込んでいたのに、変えてる途中で彩治はおしっこをしてしまう。
おいおい、さっき出したばっかじゃないのかよ。
「うわ」
「あ、布団についちゃったわよ」
「マジか。何やってんだよ、彩治!」
「あはは。英治くんのその顔」
「笑うなよ、紗彩」
「だって。そんな焦ってる英治くん、なかなか見られないもの」
紗彩につられるように、俺も顔が緩んでくる。
一人だったら絶対むかついてるよなって思うけど、一緒にだったらこうやって笑えるんだ。
少し分かった気がする。
子育てって多分、気負いすぎても駄目なもので。
そしておそらく、家族皆でやった方が楽しいものなんだって。