幸せ家族計画
俺は綾乃の小さい時を見ているせいか、赤ん坊に泣かれるのはそれほど気にならない。
でも綾乃は違うみたいだ。自分が泣かせてる、という気持ちになるらしい。
広い通りに出ると、車は順調に走り出す。
ゆれる車内というのは子供にとって格好の眠り薬らしい。
わんわん泣いてたはずのキズナが、いつの間にか眠りについている。
「寝たな」
「……うん」
前にこれば?
そういおうとバックミラー越しに見ると、綾乃のほうも寝てしまいそうな感じでうとうとしている。
疲れが溜まっているのだろう。
「お疲れさん」
綾乃も寝かせてあげることにして、俺はドライブを楽しむことにした。