幸せ家族計画

 公園に着くと同時に綾乃が目を覚ます。


「あれ、もうついた?」

「ああ。さて、日陰を探さないとな。今日は直射日光強そうだ」

「そうだよー、焼けちゃう。ああー、UVケアもっとしてこればよかった」


話しているうちに、キズナが目を覚ます。


「うわあああああん」


そして、途端に大泣き。

色んなタイプの子がいるとは思うのだが、キズナは寝起きの悪い方だ。
起きがけは必ず泣く。しかも全身を使って泣くので、抱いていても落としそうになり結構ビビル。


「キズナ、おはよう。ホラおっきしようね」


抱っこして背中をとんとん叩く綾乃。それでもなかなか泣き止まないキズナ。


「オムツとか? 腹減ったとかじゃないの?」

「んー。まだ大丈夫のはずだけどな。お茶飲ませてみようか」


結局お茶を哺乳瓶で飲んでようやく機嫌を直してくれた。


「我が家の王様だよな」

「そうね。振り回されてるよね、私たち。それも嬉しいんだけどね」


そのまま木陰でキズナにハイハイさせてみたりしたけど。
草を食べてしまいそうで落ち着かない。

ただ、どれだけ騒いでも周りの目を気にしなくて済むのはよかった。

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