幸せ家族計画

 そして、その後ショッピングモールの方へ移動した。

まずキズナがご飯。
離乳食ははじまっているが朝だけなので、昼は綾乃のおっぱいだ。

俺はその間、待ちぼうけで本屋をめぐる。
ふらふらと見ていて、目に留まったのは住宅雑誌。


「家か……」


そういえば、家にはしばらく行っていないな。

今となっては空き家となっている実家。
親父の代からの家だからもう築40年ほどになるか。
住む気がないなら、貸すなり売るなりを考えないといけない。

思い出までは簡単に手放せないと思っていたが、これからのことを考えるとなぁ。


 そこで、携帯電話が鳴る。
どうやら、授乳は終わったらしい。


「じゃあ、俺たちも飯か。何食おうかな」


綾乃のところに戻りがてら、ショッピングセンター内の飲食店を物色した。


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